応用情報技術者試験を受けてみた
12月25日は応用情報の合格発表の日だ。
最初は、応用情報は受けるつもりはなかったのだけど、基本情報を取ろうと思った7月のタイミングで、ちょうど応用情報試験の締切日が近いということを知った。まだ3ヶ月あるから、ついでに応用情報もやってみるかという気軽な気持ちで申し込んでしまったのだ。
基本情報はなんとかギリギリ合格できたものの、勉強を先延ばしにしてきたので、試験まで残り3週間になってしまった。申し込んでしまったことを深く後悔しつつ、やれるだけやってみることにした。
私のスペックは前回の記事にも書いたが、40歳定時制高校卒で勉強するのは得意じゃない。
勉強方法
基本情報の科目Aでは、CBTということもあってか過去問がほぼ出なくて焦った。しかし、応用情報はペーパーで、今までの流れからすると過去問から半分ほどは出題されるらしい。今回でペーパー試験が最後となり、次回からはCBTに変更されるらしい。今後どう変わるのか少し気になるところ。
ということで、科目Aにあたる午前の勉強方法は、基本情報と同じく過去問道場を利用することにした。
自分が感じた基本情報との違いは、
- ストラテジ、マネジメント系が深堀りされていて難しい。
- 引っ掛け問題みたいなのが多いような気がする。
- 計算問題が多い。
- 基本情報でやった問題もけっこう出る印象。
問題は、午後である。午前は、基本情報と大きな違いはないが、午後は記述式の試験であるため、深い理解と文章を正確に読んで言語化する力が必要となるようだ。様々なジャンルの11問から5問を選択して解答する。そのうちセキュリティは必須なので、残り4問を選んで解答する必要がある。
前述の通り、午前は応用情報についても過去問道場のみでしか勉強しなかった。
午後は、どう勉強すればいいのかさっぱり検討がつかない。とりあえず、午前の対策が終わってある程度知識が付いた段階で、過去問を解いてから考えることにした。
勉強時間
問題の難易度から、基本情報以上に勉強が必要だと感じた。しかし、試験日まで3週間ほどしかないので、効率重視でいくしかない。
直近1年分は出題されないらしいので、直近1年を除く6年分くらいの約1000問ほどやることにした。基本情報を受けてみて、昔の問題と傾向が異なっていて、昔の問題をやっても意味がないと思ったからだ。
基本情報で2000問ほどやっていたことや、基本情報の合格から間を置かずに応用情報の勉強に切り替えたことで少し有利な部分もありそうだと感じた。1日100問を目標に解いて、二週間で午前の勉強を終わらせることにした。
ちなみに1000問終わった段階で、正解率は70%弱だった。
午前の勉強が終わったところで、試しに午後の問題を解いてみることに。残り一週間しかないので、なるべく勉強量が少なくて済む問題を選びたい。残り一週間は、午前で間違えた問題を復習しながら同時並行する。
どうやら文系セットという経営戦略やマネジメント系の問題に絞るやり方もあるようだ。この利点は、国語力・読解力があれば、問題文から解答を予測することが可能ということらしい。
とありえず試しに、一通り全部のジャンルの問題を2回分解いてみることにした。この中で、得点率が高いものが、自分が得意な問題になると思ったからだ。
一通り問題を解いてみて分かったのは、
- 経営戦略、プロジェクトマネジメント、システム監査は問題文が長いし、ある程度の基礎的な知識が必要となりそう。過去問だけ解いてるだけでは、少しきつそう。国語力が問われるため、自分には難しく感じた。
- 記述式の解答が多い場合、筆記に慣れてないと時間がかかりそう。
- プログラミングは、ループをトレースしていく問題が多く、ハマると時間がかかりそうだと思った。
- 普段開発している人は、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組み込み、情報システムあたりが楽そうに思えた。
得点率が高かったのは、プログラミング、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組み込み、情報システム、サービスマネジメントあたりだ。
難易度が試験ごとにバラつきがあるので、解く問題を4つみたいに決め打ちせずに、1〜2問ほど余裕を持たせて、当日に問題を見て選ぶのが良さそうに思えた。(でもその余裕があるのかは謎)
- ネットワーク
- セキュリティに近い部分もあり、安定して得点が取れそう。優先度高。
- システムアーキテクチャ
- オブジェクト指向みたいな問題が出たらラッキー。優先度高。
- データベース
- 問題文をよく読めば大丈夫そうだけど、JOINとかの問題が出たら間違いそう。優先度中。
- 組み込み
- 事前の知識がなくても比較的解けそう。優先度中。
- 情報システム
- これも問題文をしっかり読めば、解けそう。優先度中。
- プログラミング
- 問題によっては時間がかなりかかってしまいそうで、得点も安定しないので優先度低。
- サービスマネジメント
- 基礎的な知識が必要な問題もあってか、いまいち安定しない。優先度低。
こんな感じで絞れたので、プログラミングとサービスマネジメントは勉強から除外して、当日簡単そうな問題あったら解く感じにした。
あまり時間がなかったので、過去問直近4年分くらいしか解く時間がなかった。
基本情報から休みなく勉強していたことで、長文問題の拒絶反応が出ているので不安だ…。
試験当日
会場はどこになるのだろうかと不安だったが、ラッキーなことに徒歩20分ほどの場所だった。
試験は、午前と午後合わせて5時間に及ぶので、おじさんにとってはかなりきつい。午前と午後の間に1時間ほど休憩があるので、途中でタバコタイムを挟めるのは助かる。
筆記ということで、マークシート用に太めのシャーペンと、午後で使う普通のシャーペンを用意。あとは、念のためダイソーで買ったアナログ腕時計も準備した。
会場は学校ということで、土足厳禁で上履き必須のためクロックスを持参。
久しぶりに学校という場所に踏み入れるのはなんだか緊張したが、思ったよりたくさんの人が集まっていてドキドキする。教室の半分くらいは欠席のようだった。
試験開始までだいぶ時間はあったが、拒絶反応で問題文を見るのもしんどいのでぼーっとしていた。席は窓際で適度に空席もあって、かなりベストな状況。
どんな問題が出るか不安だったが、基本情報より過去問の出題率が多かったせいか、見たことある問題が多い。体感的には、半分くらいは過去問で見た問題だった気がする。しかし、過去問の答えを忘れていてあやふやなのであった…。
なんとか午前を終えると、1時間の休憩タイムだ。実際には20分前に戻っている必要があるので、40分しかない。
タバコを吸いたいので、近くの公園まで行って一服…。おっさんはもう体がバキバキである。用意しておいたウィダーinゼリーのブドウ糖のやつとカロリーメイトを食べて、まったりする。
あっという間に時間になったので、会場に戻ると午後がスタート。ここからが勝負である。
さて、どんな問題が来るのか?!
まずは、必須問題のセキュリティから攻める。1問目から知らないワードが出てきて絶望…なんやこれ難しすぎないか…。過去問をやっていたときは、安定して8割は解けていたのに半分も解けている自信がない。
そして疲労で集中力が落ちているせいか、長文問題がまったく頭に入らない。気を抜くとフリーズしそう。
次の問題で巻き返そうと得意なネットワークで攻める。おや…VPNとかの内容ではないし、過去問で見たことがない感じだ…(絶望)なんとか全部埋めたが自信がまったくない。
得点率が高い2問とも手応えを感じなかったので、残った問題で確実に高得点を狙えないとまずい、焦り始めた。しかも、思ったより苦戦してだいぶ時間を使ってしまった感覚がある。
問題を選ぶ余裕もなかったので、自信があるシステムアーキテクチャで攻める。オブジェクト指向とかそういう問題じゃない…(絶望)
なんか組み込みのような問題だなぁと思いつつ解いていくが、やたら面倒な計算問題出てきて時間を消費してしまう。計算が若干あやしいが、最後に見直そうと先に進める。
次は、情報システムを選択。これはWeb画面の設計問題っぽいので得意分野だ。しかし、記述問題がどうとでも答えられそうな問題で、妙に悩んでハマってしまう。
そんなこんなで、残り時間が30分を切っていてやばい。もう問題を厳選している余裕はない。データベースにかけることにした。
知らないワードであふれていたが、必死に何度も問題文を読み返して答えていく。もうまったく余裕がない。これもまた手応えなしである…。
さすがにこれは終わったと放心状態で帰宅…。体感的には、3割ほどしか解けていない感じだ。
受けてみた感想
持ち帰ってきた問題文に答えを転記していたので、速報の答えと照らし合わせて自己採点してみた。
結果は、午前70点くらい、午後50点後半であった。
午前は、もう少し手応えはあったが、思ったより間違っている箇所が多かった。
午後は、記述問題は省いて、一致している箇所で採点してみた。想像していたより点数は高かったが、正確な配点なども分からないので実際に何点になるのか分からないが、おそらく合格はかなり厳しいと思う。
予習では間違えなかった、凡ミスや計算問題で間違えていたのが悔やまれる。
記述問題は省いたと言っても、予想解答と比べると検討違いな解答をしているので点数は期待できない…。文系セットでもないので、部分点も期待できないと思う。
応用情報技術者試験の感想は、
- 午前は、過去問をしっかりやり込めば60点以上は取れそう。
- 手応えを感じなくても諦めずに平常心を保つのが大事。
- 午後は、通しで5問解いて時間をどれだけ使うのか分かっていたほうがいい。通しでやった場合の正解率も知っておいたほうが良さそう。
- 自分は通しで一度もやっていなかったせいか、5問を連続で解いた場合の時間配分がいまいち分からなかった。
- 計算問題は必ず見直したほうがいい。自分は計算問題ですべてミスっていた…。
- 問題文は、最初にしっかり読んでから解答したほうがいい。
- 自分は焦っていて、解答欄をみた後に該当する問題文を探して読むということをしてしまった。結果的に前後の文脈が上手く読み解けていないことが多かった。
- シラバスの用語をしっかり勉強しておかないと未知のワードに対応できない。
どうやら午後は例年より簡単だったようで、比較的高得点の人が多いようだ。応用情報は、合格率を一定に保つために得点調整があるという噂なので、午後の通過者多いと考えると下がっても上がることはなさそうな気がする。
合格発表
結果は、午前70点、午後59点であった。予想通りではあったけど、あと1点というのは悔しい。午後は、予備校が出している解答例の採点とほぼ一致していた。奇跡的に部分点があれば、ぎりぎり60点になるかもという淡い期待は打ち砕かれた。
基本的な知識不足も然ることながら、緊張しても平常心で落ち着いて問題を解くこと、文章を読み解く国語力と言語化能力、自分になにが足りないのか考えさせられる…。
往生際が悪い私としては、もう一度受けてみようと思う。次回からはCBTになるようなので、ペーパーとCBTの違いも記事にしてみたい。